矯正治療は、出っ歯、八重歯、受け口、すきっ歯、乱杭(らんぐい)歯などの悪い歯並びや噛み合わせを、しっかりとしたきれいな歯並びへと矯正するための治療をおこないます。 歯並びの良し悪しは、見た目の問題だけではありません。
歯並びが悪い場合のデメリット
口腔内の病気を予防するために一番大切なのは日々の歯みがきです。しかし、歯並びが悪いとどうしても付着物が除去しきれず、むし歯菌や汚れが残ったままになってしまいます。そうすると、せっかくの歯みがきも効力を発揮しきれません。また、歯ぎしりなどのクセは歯並びの良し悪しが原因ではありませんが、歯並びが悪い人が歯ぎしりをすることで、歯により負担がかかり、欠損するリスクも高くなります。
歯並びが整うことによる機能的なメリットがあるのはもちろん、見た目の問題も大きいです。例えば、昔は「八重歯のアイドル」がいましたが、今は八重歯のままでテレビに出る方はいらっしゃいません。 アメリカでは富裕層でなくとも矯正をするのが当たり前の社会です。日本でもこれから10年後、20年後、口元に対する意識はますます高まるでしょう。
矯正の期間
一人ひとりの噛み合わせ状態や年齢によってその期間は異なります。目安としては、3~5歳の乳歯の時期は3ヶ月~6ヶ月、長くて1年、部分的な治療で数ヶ月〜1年、全体的な治療で2年〜3年となります。まずは診察で適切な時期を検討しますので、歯並びで気になる部分があれば、遠慮せずにご相談ください。
矯正治療の一般的なリスクと副作用
1.矯正装置を装着した当初は不快感、痛み等があります。ほとんどの場合、2,3日間~1、2 週間で慣れます。
2.歯の動き方には個人差があり、そのため治療期間が延長する可能性があります。
3.装置の使用状況、定期的な通院等、患者さんの協力が非常に重要であり、それらが治療結果や期間に影響します。
4.装置が入ると口の中に汚れが残りやすくなります。むし歯や歯周病にならない為に、 丁寧に歯磨きをしたり、定期的なメンテナンスを受けたりすることが大切です。
5.歯を動かすことにより歯根が吸収して短くなることがあります。また、歯ぐきがやせて下がることがあります。
6.治療中に「顎関節で音が鳴る、あごが痛い、口が開けにくい」などの顎関節症状が出ることがあります。
7.装置が外れた後、保定装置を指示通り使用しないと後戻りが生じる可能性があります。
どの段階で矯正をおこなうかは、診察や検査をしてから判断します。乳歯の段階で処置したほうがいいケースもありますし、乳歯の時はまだ必要ないけれど、生えかわりの途中で処置したほうがいいケースもあります。 すぐに治したほうがいい、成長を待って処置したほうがいいという的確な選択をして、お子さま一人ひとりにとって適切な時期、適切な処置をご提案いたします。
乳歯の時期の矯正は、成長の力を利用して、顎のスペースを確保するための「床矯正」が中心となります。装置は取り外しができるプレートタイプです。顎の成長を促したり、歯列を左右に拡げたり狭めたりすることで、不正咬合を改善します。
一般的なワイヤー矯正は、痛みの少ない装置を導入しています。また、ワイヤーの色やワイヤーについている金属のブラケットが透明のもの、白いものなど、目立たないものもご用意しています。
透明で取り外しのできるマウスピース型の矯正装置もあります。 透明ですので目立ちませんし、自分で取り外しができるので、食事中のわずらわしさがありません。画期的な装置ですが、どなたにでも適応できるわけではありませんので、まずはご相談ください。
当院では痛みが少なく患者さんが扱いやすい矯正装置を揃えています。とはいえ、痛みの感じ方は人それぞれですので、もし痛みが生じる場合は、細いワイヤーに取り替えるなど工夫します。細いワイヤーの場合は治療期間が長引くこともありますので、そのバランスをご相談しながら治療をいたします。
※矯正歯科治療は公的健康保険適用外の自費(自由)診療です。
初診・相談
問診・視診・触診などにより、予測される治療の概要をご説明いたします。
精密検査
模型・レントゲン・写真・顎運動検査などの矯正治療に必要な検査をおこないます。
診断(検査結果の説明)
検査結果をもとに、不正咬合の診断と治療計画・治療方法、治療の料金についての説明をおこないます。
治療開始
矯正装置を使って歯を並べます。使う装置や治療期間は、年齢や歯並びの状態によって異なります。
保定・定期検診
きれいに整った歯並びを維持するための装置を入れて、定期検診でチェックをします。
お子さまの口腔内の健康を守るため心を込めてサポートいたします